魯迅と東北大学-歴史のなかの留学生 | 東北大学史料館 魯迅記念展示室

魯迅と東北大学

東北大学に遺る資料や写真をつうじて、
文豪・魯迅の仙台留学時代の
学生生活をたどります。
学都仙台に学んだかつての
留学生たちの足跡も紹介しています!

魯迅と東北大学

魯迅と東北大学のつながり

1904年(明治37)秋、1人の中国人留学生が、医学の道を志し、東北大学の前身である「仙台医学専門学校」に入学しました。彼の名は周樹人(しゅう じゅじん/チャオ シューレン)。のちに『狂人日記』や『阿Q正伝(あきゅうせいでん)』等の作品によって中国文学に新しい息吹を吹き込み、近代中国を代表する思想家として活躍した作家「魯迅(ろじん/ルーシュン)」その人です。
留学生・周樹人の仙台での生活は、たった1年半にすぎません。しかしこの仙台にて、彼は「文学」の道を進むことを決心しました。彼がのちに作家「魯迅」として執筆した短編小説「藤野先生」には、異郷の地仙台での学生生活、文学への転向を決意する彼の心の動きが、ひとりの教師との交流を素材として綴られています。
この展示では、東北大学に遺されている資料をもとに、若き日の魯迅=周樹人の仙台での留学生活をご紹介したいと思います。

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魯迅について

About Lu Xun

本名:周樹人
浙江省紹興生まれ。
幼少時代を紹興で過ごし、17歳のとき南京に出る。1902年春に江南陸師学堂付設砿務鉄路学堂(陸軍学校附属の鉱山・鉄道学校)を卒業し、官費留学生として来日、東京で留学生教育機関である弘文学院に学ぶ。その間『浙江潮』等の同郷会誌に論文や小説を執筆する。
やがて医学を志し1904年9月仙台医学専門学校へと入学。しかし在学中に文学者としての道を歩むことを決意し、1年半後に退学。再び東京に戻り、文学雑誌の創刊、小説の執筆など、文芸活動に取り組む。
1909年に帰国後、辛亥革命に伴い中華民国臨時政府の教育部(文部省)に勤務するが、やがて陳独秀らが主唱する文学革命論に呼応し、1918年「魯迅」の筆名で「狂人日記」を発表する。その後「故郷」「阿Q正伝」等の代表作を次々に発表。同時に鋭い社会・文化批評を展開したが、やがて軍閥政府や国民党政府の弾圧を逃れ上海に移住、晩年をこの地で過ごした。1930年には左翼作家連盟の結成に参加している。
儒教批判と口語文の提唱を柱とする「文学革命」を作品の中で実践して中国近代文学の基礎を築き、また絶えず鋭い社会・政治批判を展開した、20世紀前半の中国を代表する文化人。美術にも関心が深く、上海時代には木版画講習会を開催し若手版画家の育成に尽力している。

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EPISODE 01

魯迅の仙台留学

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EPISODE 02

学都仙台留学生小史

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EPISODE 03

展示資料リスト

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